
もう15年も経つんですね。
オーケストラハモン発足時、僕も発起人の端くれでした。趣味でチェロを弾いていたので、演奏者として参加する手もあったのですが、とかくオーケストラに欠けがちな「ビジュアル面の洗練」を担当するのが楽しくて、結局そちらに専念することに。大学生でしたから、デザイナーとしての心構えも実力も全くもって未熟ではありましたが、実験的な取り組みであり、たいへん有意義でした。今はプロダクトデザインの仕事がメインですが、アフィニス文化財団が主催するアフィニス・アンサンブル・セレクションのロゴやチラシ等のグラフィックデザインもやっていて、思えばその原点はまさにハモンなのです。
このロゴ、今の自分だったら違うデザインを考案するだろうと思います。でも、トゲトゲしいほどのエネルギーと根拠のない自信に充ちた二十歳前後の汗臭い若者たちが、背伸びをしながら何かを必死に発信しようとしていたあの時のあの空気が、今もこのロゴにまとわりついているようで、今の自分にはできないデザインだなぁと感じます。良いロゴです。

2012年6月 清水慶太(しみずけいた)
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